糞便中の細菌を検査します。目的は、危険な食中毒菌を保菌している人を見つけ出すことにあります。
保菌とは人が腸内でその菌を一時的にあるいは常時持っていることを意味します。便などから排出されるため、その菌を職場に広げたり、人に感染させてしまうリスクがあります。
危険な食中毒菌とは腸管出血性大腸菌(O157、O26、O111等)、赤痢菌、サルモネラ菌などです。それ以外にも危険な食中毒菌はありますが、検便検査では一般的に食中毒を引き起こしやすい代表的な菌を対象にします。
特にO157などの腸管出血性大腸菌は感染者が死亡するリスクの高い非常に危険な菌です。そのため、調理者・保育士・介護士などは、国のマニュアルや指針、自主ルールに則って検査を行うことになっています。
検査案内
「心電図検査」
学校保健安全法に基づき、小学校、中学校、高等学校の各1年生では学校心臓検診を実施するよう義務付けられていますが、運動量の増える小学校の中間学年での心臓検診の実施も推奨されています。子どもたちは年々体が成長し、変化していきますが、心臓についても例外ではありません。
また、大人の心疾患でみられる不整脈や心筋症などの症例が児童においても報告されることも多数あります。
学校での検診は、年齢にあわせた解析を行い、循環器病(心疾患)、早期発見、適切な管理、心臓突然死の予防などを目的としています。
尿検査
学校検尿では、尿中に、蛋白、赤血球、糖、ウロビリノーゲンがでているかどうかの検査が行なわれています。腎盂腎炎は初期には無症状で経過し、放置されると将来腎不全に移行することが知られており、学校検尿で早期に発見されることが多くあります。また生活習慣の変化に伴う若年者2型糖尿病の発症も報告され、糖尿検査により糖尿病の早期発見にもつながります。これらの病気を早期発見・早期治療することで将来の疾病の重症化を予防するために検査します採尿の注意点 正しい検査結果を得るために…① 前日の夕食は、暴飲暴食を避けて下さい。 ② 就寝前には、ジュース類やビタミンC剤などを過剰に摂取しないで下さい。 ③ 夜遅くまで激しい運動を行うなど、前夜は疲労しないようにして下さい。④女子で生理中の人は、提出しないで下さい。生理前3~4日、生理後5~6日は尿潜血反応の信憑性が著しく低下するとされているため、生理の前後数日間は避けましょう⑤精液が混ざるとタンパク質による影響が出ることがあります。 検査の前日は、性行為・自慰行為も控えるようにしましょう。

弊社では、2024年4月検査分より、下記の尿自動分析装置、及び学童検診システムを導入することとなり、それに伴い採尿容器の変更、及び採尿頂いた検体へのバーコード貼付をお願いすることとなりました。
各御施設様につきましては、これまでの運用とは少し違ったやり方をお願いする事になりますが、宜しくお願いいたします。検診システム導入後は、尿検査結果や検査統計表の迅速報告、検査漏れ生徒(園児)様の早期把握、検査陽性者の早期医療期間受診のなど、メリットが多く、弊社といたしましてもより正確な検査、医療事故防止の観点から双方にとって、有用な変更となりますので、何卒ご理解頂きますようお願いいたします。
蟯虫卵検査
昭和20年代には寄生虫の保卵率は全国民の70~80%もあり、寄生虫症は結核と並んで「国民病」と言われていました。しかし、昭和50年代には、化学肥料の普及と下水道など衛生環境の整備が進んだことに加え、集団検便や集団駆虫の普及により寄生虫の感染率は1%以下に激減しました。
しかし、寄生虫は完全に無くなったという状況にはありません。現在でも蟯虫卵保有者は、保育園・幼稚園の園児や小学校の学童を中心に少なからず発見されています。